先日、碓氷峠の「アプトの道」を歩いてきました。
今回は峠の湯から旧熊ノ平駅まででしたが、実際は横川駅に隣接する鉄道文化むら入り口が起点になっています。
3年ほど前の秋には、起点から終点の旧熊ノ平駅まで歩いているので、その時の写真も交えて「アプトの道」を簡単ですがご紹介したいと思います。
目次
- アプトの道とは
- 起点:鉄道文化むら
- 丸山変電所
- 峠の湯
- 碓氷湖
- めがね橋
- 終点:旧熊ノ平駅
- 起点への戻り方
アプトの道とは
「アプトの道」とは、廃線になった信越本線の線路跡を、遊歩道にしたものです。
信越本線の碓氷峠区間は、明治期建設の旧線と、戦後建設の新線があります。
北陸新幹線が開通している現在では、旧線・新線ともに廃線となっていますが、「アプトの道」と称されているのは、旧線の方です。
起点から終点までの距離は、片道6.1キロ有ります。
送迎や、車2台を起点と終点にそれぞれ配置しない限りは、往復で歩くことになります。
その場合は12.2キロと、ソコソコな距離を歩行します。
コースはフラットな路面で緩やかな登り坂(とは言え、高低差は300mあります)になっている事もあり、基礎体力の維持・向上を望む方には、おススメの道だと思います。
私も、怪我などの療養明けには、手始めにリハビリとしてこのコースを歩く事にしています。
峠の湯から旧熊ノ平駅までの「アプトの道」には、10の煉瓦張りされたトンネル(隧道)があり、内部は真夏でも空気が冷たく、涼む事ができます(※)。
なので、夏場はトンネルから出るのに、かなりの勇気がいります。
トンネルの他に、旧丸山変電所やメガネ橋、終点の旧熊ノ平駅といった歴史的見所や碓氷湖も「アプトの道」沿いにあり、その都度、足を止めて見学や休憩が可能です。
※注意
起点から峠の湯までにトンネルはありません。
熱中症予防に、必ず帽子などの日除けや補給できる水分を準備してください。
起点:鉄道文化むら
横川駅に隣接した場所に、鉄道文化むらというテーマパーク施設があります。
かつて信越本線を走行していた車両などが展示されており、夏休みなど時期によっては、車両の運転体験も行なわれています。
また、資料館も併設されており、碓氷峠での鉄道運行の歴史を知ることができます。
さらに、ここから峠の湯(後述)までの間をトロッコ列車が運行されています。
そんな鉄道文化村の入り口脇に、「アプトの道」の起点があります。
旧丸山変電所
起点から歩くこと30分弱で、旧丸山変電所に到着します。
信越本線の碓氷峠区間が廃線になる以前は、この旧丸山変電所前を電車が往来していました。
当時、煉瓦造りのこの建物はボロボロで、通過するたびに暗くて怖い印象を受けていました。
割れた窓ガラスの向こうに人影が見えるなど、子供の間に流れがちな幽霊譚もあったりしましたが…
「アプトの道」整備後の今では、見違えるほどの明るい建物になりました。
元々この旧丸山変電所は、碓氷峠を往来する電車に電気を供給するための施設でした。
明治期は機関車運行の碓氷峠でしたが、連続するトンネル内では煤煙が酷く、乗務員が健康を蝕まれることから、明治最後の年(=大正元年)に全国に先駆けて電化されました。
この電化のために建設されたのが、旧丸山変電所でした。
現在、鉄道文化むらと峠の湯の中間である旧丸山変電所前には、トロッコ列車の停車駅があります。
峠の湯
旧丸山変電所から更に歩くこと20分、旧線と新線の分岐付近に現れる、メガネ橋を意識したエントラスが特徴的な建物の峠の湯は、安中市営の日帰り温泉施設です。
温泉は無色透明の弱アルカリ泉。
オススメは景観良し、泉質良しの露天風呂です。
休憩室では「おぎのや」さんが食事を提供しており、横川駅の駅弁である峠の釜飯をここで食べることも可能です。
裏手にはトロッコ列車の駅があります。
また、敷地内には、コテージなどの宿泊施設もあります。
さらに、敷地の片隅に、縄文時代の小さなストーンサークルもあります。
秋田県大湯のストーンサークルが世界遺産になるかもしれないので、ストーンサークルの実物を見たことがない方は、この施設を訪れた際に、見学してみてはいかがでしょうか?
碓氷湖
碓氷湖は、坂本ダム湖のことです。
峠の湯から20分の場所にあります。
元々は砂防ダムとして建設されましたが、現在では飲料水用のダムでもあります。
ダムカードも配布されていますが、取り扱いは近くの霧積ダムの事務所になるそうです。
紅葉の時期には湖面に赤い紅葉が映え、美しい景観を望むことができます。
めがね橋
碓氷湖から更にいくつかのトンネルを15分程歩くと躍り出るのが、「アプトの道」のメインディッシュとも言えるめがね橋です。
めがね橋は第三橋梁のことですが、橋脚の形からその名で呼ばれています。
旧国道18号沿いに位置しており、駐車場も完備されています。
行楽期には、常駐しているボランティアガイドさんによる説明も聞くことができます。
めがね橋からは、新線の橋梁も眺めることができます。
明治期の大地震では、橋脚にヒビが入り、補強作業が行われたそうです。
ここも、やはり紅葉の時期が美しいです。
特に、旧道から見上げる構図が秀逸です(これは写真なしでごめんなさい)。
終点:旧熊ノ平駅
めがね橋からの長い長いトンネルをいくつか抜けると、約25分で明るい旧熊ノ平駅に出ます(明るいとはいえ、実はここも駅舎が廃墟化していて、子供の頃は怖いスポットでした。今でも怖がる人は多いようです)。
新線と旧線が合流する旧熊ノ平駅は、「アプトの道」の終点です。
トンネルは続いているものの、ここから先は立ち入り禁止区域です。
もっとも、この先は整備されてないし熊も怖いので、立ち入りしたい気持ちも湧きませんが…
かつて、ここ旧熊ノ平駅では事故や土砂崩れが発生し、人命が失われました。
敷地内には慰霊碑が建立されています。
その隣には赤い鳥居の熊ノ平神社が祀られています。
旧碓氷峠にある熊野神社でお祀り・管理しているようで、小さいけれど綺麗に管理された社殿です。
起点への戻り方
旧熊ノ平駅から旧国道18号に出ることも可能ですが、お迎えや配車のない場合は、来た道を戻るのが早くて安全です。
下り坂なので、知らぬ間にスピードアップして起点に戻ることができますが、これが結構足腰にきますので、運動不足の方は、翌日の筋肉痛にご注意ください。
途中、嫌になったら、「峠の湯」からトロッコ列車で起点に戻ることもできます(運行時間にご注意下さい)。
また、峠の湯の温泉に浸かってから起点に戻ったり、車の場合は、起点に戻ってから再び車で峠の湯に移動して温泉に浸かる…なども可能です。
安全な遊歩道ですが、体力や体調、お天気など、諸々の条件でスケジュール調整していただき、「アプトの道」を楽しんでいただきたいと思います。
ここ、アプトの道っていうんですね。
今年の2月くらいに歩きました。
トンネルの中には氷柱がいっぱいあったな〜。
私は峠の湯からめがね橋を往復したのですが、途中に小さなカフェがあったので、そこでお茶して、レトロなものがいっぱい置いてあるお店?もう営業してなさそうだったけど…で、ご主人の趣味のギターを聴かせてもらって帰って来ました。
結構歩きでがありましたね(^^;;
トンネル内は夏でも涼しいので、2月ともなると氷柱が張っちゃうんですね。
カフェは、碓氷湖すぎたところの高台にあるお店かな?
入ったことはありませんが気になってました。
イッヌさんもお外にいたような…
レトロな感じでギターも聴けるお店なんですね。
フルで歩くと結構な距離になりますが、紅葉の時期に紅葉狩りがてら、またお出かけしてみると良いかと思います^ ^